2011年8月27日土曜日

歌手~清水 那由多さん~

バリトン歌手、清水義雄さん。

私がこの仕事を始めて、最初にお伺いしたプロの音楽家です。
奥様は有名なメゾソプラノ歌手の西明美さんです。
あるキッカケでご自宅の調律を御依頼頂きました。
今思うと、ホントに冷や汗もんです!
あんな拙い調律でよくもまぁ・・・
でも、何故か「音楽的な音色がする」と言って頂いて、それ以来ずっとお付き合いさせて頂く事になりました。

まだまだ駆け出しのぺーぺーでしたから、経験もありませんし勿論、自信なんか全くありません。
ただ、一流のプロの音楽家のお宅に伺っていると言う事が、大きな支えになっていました。
今からすると「それが何?」ってな感じになるのですが、当時はそれ以外なぁ~~んも無い訳ですから・・・
ま、ある意味恩人です、清水先生は。

その清水義雄先生と西明美先生の一粒種が那由多(なゆた)くんです。
やはり蛙の子は蛙。東京芸大の声楽科を出て、そのまま大学院に進みました。
彼は日本人には珍しいバスなんです。
男声はテノールとバスに別れると思ってる方が多いと思います。女性はソプラノとアルトですね。
コーラスなんかはそう言うパート名になっている事がほとんどです。
しかし、日本人で本当のバスの声を持っている人はすごく少ないんです。
バスって言っても、ほとんどの人はバリトンです。簡単に言えば、テノールとバスの間ですね。
本当のバスの声は、朗々と響く厚みや深みのあるとても魅力的な声です。

その那由多くん。
バス歌手として売り出し中です。
来年にはモーツァルトの「フィガロの結婚」のフィガロ役が決まっているそうです。
これは聴きに行かなくては!
那由多くんがまだ幼稚園の頃、庭でお父さんの義雄先生とウルトラマンごっこの様な事をして遊んでいたのを今でも覚えています。
立派になっちゃいましたね~。

先日、御自宅に伺った時にお聞きしたんですが。
明治製菓のチップチョップと言うチョコのお菓子があるのですが、皆さんご存じですか?
エグザエルって言うグループの何とかさんって人が、おそまつくんの格好で踊ってるCMです。
TVを視ない私は全然知らなかったんですが。
そのCMで「甘くてしょっぱい」って歌っているのが那由多くんです。
http://www.meiji.co.jp/gallery/cm/?rmd=recommendMovie&id=chipchop_osomatsu_30s_full

仕事をさせて頂いたCMやドラマなどがTVで流れるのを視るのも、最初の頃は妙な感じでしたが、知り合いが、特に子供の頃から知っている那由多くんが歌っているCM。
う~ん、なかなか良いもんですねぇ。
今度、チップチョップ買ってみよっと(笑)



2011年8月16日火曜日

東日本大震災支援チャリティーコンサート

先日、千葉の本八幡にある市川市民文化会館で「響けいのち・平和 チャリティコンサートin千葉」と題した演奏会がありました。

日本歌曲、オペレッタ、コーラス、オーケストラ、朗読と多彩なプログラム。
東北の方々の被災がクローズアップされる事が多いようですが、銚子や旭など千葉県でも大きな被害が出ています。
今回のコンサートの収益は、千葉の被災された方々へ届けられるそうです。
以前からお世話になっている音楽家ユニオンのKさんからお話を頂いたのが7月後半だったでしょうか。「チャリティなのでまともにお支払いが出来ないのですが・・」と申し訳なさそうにお電話を頂きました。
チャリティと言われれば「よっしゃぁ、そう言う事ならひと肌脱ぎしやしょう」となってしまいます。
幸い予定もOKです。

う~ん、これで何回目のチャリティだろ?
金額に換算すると、恐らく30万円分位になると思いますが、自分に出来る事で少しでも役に立てれば嬉しいですもんね。
口の悪い友達に言わせると「おめぇ、その分現金で寄付した方が良いんじゃない?」
いや、そうかもしれんけどさ。現金は持ってないから・・・

音楽関係者も色々チャリティコンサートと言う形で、支援をされてます。
被災された方に比べれば、なんてことありませんから。
これからも自分に出来る範囲で協力させて頂くつもりです。


2011年8月1日月曜日

年に一度の保守点検~江古田BUDDY~

先日、西武池袋線江古田駅前にあるライヴハウス「BUDDY」さんで、1年に1度の保守点検をやらせて頂きました。

保守点検と言うのは、ホールなどで使われているピアノを年に一度ないし二度、タッチや音色をチェックして、最高の状態で使えるように1~2日掛けて調整する事です。
当然、誰がどんな仕事をしたかによってピアノの状態はガラっと変わってしまいます。
その結果として「あそこのピアノは良いよね」とか、「あそこはヒドイ音がする」とか評価されてしまいますから、責任は重大です。
一般には調律師が表に出る事は稀ですから、結果そのホールのピアノが良いとか悪いと言う評価を受けてしまいます。

ライヴハウスはホールとは違いますので、保守点検と言う形できちんとメンテナンスをしている所は大変珍しいケースです。
その珍しいケースの一つが江古田のバディさんです。
ピアノはヤマハのセミコン。結構年数は経っています。
店長のTさんが、良く理解して頂いているので、こちらとしても大変仕事がやり易いです。
私が行き出した頃は、タッチもばらついていて音量もそこそこでした。
弦もしょっちゅう切れていました。

完全にメンテナンスを任されてから少しづづ手を入れて、改善して行きました。
今ではかなり良い状態を保っていると思いますし(個人的にはですが・・)、評判も上々のようです。
あるピアニストからは「爆音」がするなんて意見も頂いていますが、爆音って・・・・(笑)
今回も、鍵盤を全部はずしてスムーズに動くようにする所から始めて、弦を叩くハンマーと言う丸いフェルトの形を整えて、タッチを最初から作り直して最後に音色作りです。
朝から夕方まで丸々一日掛けて仕上げました。

それでも、一年もするとタッチのバラつきや音色のムラも出て来ます。
勿論、少しづづ調整はしますが、やはり根本的な調整はどうしても必要です。

今のクオリティを保つ為に、毎年保守点検と言う形でメンテナンスをさせて頂いています。
バディのピアノは中々良いよって言われるように、これからもお手伝いが出来れば良いなと思っています。