2011年1月23日日曜日

金八先生最終回

「3年B組金八先生」 
殆んどの人が知っているドラマですね。30年以上続いたそうです。
3月の特番でいよいよ最終回。金八先生が定年退職(武田鉄矢さんも実際に61歳だそう)。
歴代の教え子達も出てくるらしいです。
残念に思う人もいるでしょうし、色々な感想がある事でしょう。
めったにTVを視ない私も、今回は視ようかと思っています。実は関係無くもないんです。
前回かその前のシリーズかのBGMで流れたピアノの調律を担当しました。それもほとんど視なかったんですが・・・
釣りバカ日誌の最終作の時も調律を担当したんですけど、もしかして最終回キラー?

ま、そんなかんなでとりあえず視てみようかと。

2011年1月19日水曜日

木村徹先生のリサイタル

昨日、上野の文化会館で何時もお世話になっているピアニスト、木村徹さんのリサイタルがありました。モーツァルト/幻想曲に始まりブラームス/118の小品、休憩を挟んでシューマン/謝肉祭と言うプログラム。アンコールにシューマン/アラベスクでした。

実は徹先生、昨年11月の二の腕を骨折されていて、まぁ骨はくっついているそうですが筋肉が落ちてしまったので、最後まで弾き切れるかと言う状態だったそうです。個人的には伺っていましたが「もしかしたらキャンセルするかもね」なんて仰っていたので、当日まで大丈夫かいなと思っていました。
いつものようにヒョコヒョコとステージに現れて(笑)いつものように弾き出しました。
しょっぱなから徹ワールド全開です。「う~ん、徹さんだぁ」、もちろん良い意味でですが。
ピアニッシモのコントロールから絶対に叩かないフォルテまで素晴らしいタッチです。すごく音楽的なんですよね。表現は個性的なんですが流れを邪魔しないし、テクニックもしっかりしているので安心して聴いていられます。ブラームスの美しさは格別でした。
後半のカーナバルも構成がしっかりしていて、しかも柔軟性もあってすごく立派なシューマンに仕上がっていたと思います。

タッチが良いって言うのは、それだけですごい武器になりますから。イコール音色が良いと言う事ですからね。
アンコールまで弾かれた位ですから、心配していた怪我も大丈夫だったのでしょう。
終演後、すっごい行列だったのでお話もせずに失礼させて頂きましたが(会釈だけで)、とても気持ち良く混み混みの中央線で帰って来ました。

2011年1月16日日曜日

ツィメルマン、もう一つのバラード

大好きなピアニスト、クリスチャン・ツィメルマン。
レコーディングしたアルバムはどれもクオリティが高いのですが、その中でも個人的に特にお薦めの1枚にショパン/バラード集があります。

以前にこのブログでレコードを手に入れた事を書きましたが、中々聴く機会が無くて、今日ようやくちゃんと聴く事が出来ました。
プログラムはオールショパンで、バラード全4曲にバルカローレ、ファンタジーと言うそれはそれはご機嫌なアルバムです。昨年の来日公演でのバルカローレのこの世の物とは思えない美しさは、未だに耳に焼きついています。
CDは以前から何度も聴いていましたので、レコーディング時の実際の演奏のおおよその想像は付いていたつもりでした。CDではピアノの音色もニュアンスも実演の半分以下しか伝わりません。殆んど別な演奏になってしまう事もしばしばです。録音にうるさいツィメルマンにしても然りです。アナログなら100%OKかと言う訳ではありませんが、CDよりは遥かに伝わります。

で、CDと同じ録音のレコードです。1987年7月の録音。ツィメルマン31歳です。
しかしはっきり言ってCDとは別な演奏です。スケール感がまるで違う!レコードの演奏を聴いてしまうと、CDの演奏がすごく縮こまって聴こえます。
それに何と言うニュアンスの細かさ。極限のピアニッシモ。ダイナミックレンジ。
ツィメルマンの息遣いが手に取るように伝わって来ます。姿勢や指先が見えるようです。
極々僅かなタッチのニュアンスの違いがハッキリと分かります。
ピアノの音色もCDと全然違う。CDではffの時に盛大に割れていた高音も、全然そんな事は無く綺麗に鳴っていました。調律もユニゾンや音色の作り方がハッキリと録音されています。倍音の構成まで違って聴こえる程です。

こうなるとCDとレコードでは違う演奏として聴かなくてはならないのかもしれません。
今まで何回もCDとレコードの音の違いは聴いてきたつもりですが、これ程差があった経験はそうはありません。個人的な考えですが、勿論レコーディング技術の問題も大きいでしょうが、本当にクオリティの高い演奏はCDに入り切れない要素が多いのではないかと思うんです。例えば全盛期のムラヴィンスキー(旧ソ連の歴史に残る大指揮者)の演奏もレコードでさえ絶対に入り切らない演奏と言われていましたもんね。それ程実演と録音に差があったと言う事です。

本物の演奏は、何回聴いても発見があります。10回でも20回でも聴く度に新しい発見があるんです。飽きると言う事がありません。
このツィメルマンのアルバムも間違いなく本物です。
この先、100回目に聴いた時でも100回目の新たな発見、気づきがある事でしょう。

2011年1月4日火曜日

ちはやふる

今日はちょっとヒマなもんで続けて更新です。

いつもお世話になっている「ふじい整骨院」。身体が固まった時にはモミモミしてもらいに行ってます。地元府中駅の近くにあります。駅近だしキレイだし腕も確かなのは良いんですが、いつも混んでいるのが難点です・・・っていつもガラガラだったら逆にちょいと不安かも・・・
このふじい整骨院に置いてある数々のハイグレード図書の中にあるのが「ちはやふる」と言う少女マンガです(とりあえず分類としては少女マンガらしい)
綾瀬千早と言うめちゃキレイだけど超天然な女の子が主人公です。カルタのお話。百人一首の競技カルタです。
個人的には、以前アニメにもなった「ひかるの碁」と言う囲碁のマンガとだぶるんですけどね。ちなみにひかるの碁のアニメで流れるBGMのピアノは私の調律です。ただ、レコーディングでかなり音色をいじってあるので自分で聴いても分かりづらいですけど。
で、ちはやふるです。
これ結構ハマります。自分以外にも読んでハマっている患者さんが多いようです。もちろん話が面白いのは一番の理由ですが、作者も地元の方みたいで、京王線の府中の隣駅の分倍河原駅がちょくちょく出て来ます。京王線と南武線がぶつかる駅ですが、はっきり言ってマイナーな駅です。改札も小さいです。そんなマイナーな分倍河原駅、何度も登場しちゃいます。改札のシーン、かなり細かい所まで書き込まれていて、知っている人はニヤっとしながらフンフンとうなずいてしまう程です。それで更に親近感が湧いて来ます。
しかも作者さんは、ふじい整骨院を紹介してくれた行きつけの店「和食たか田」にも来店した事があるとか(この店は府中で一番の店です。市長も常連です)。う~ん、どこで繋がっているか分からんもんですね。
何だか宣伝みたいになってしまいました。
ま、ヒマだったんで思った事をつらつらと書いただけですから、深読みはしないで下さいね。

ヨーロッパの響き

遅ればせながら、あけましておめでとうございます!
なかなかブログの更新が出来ませんが、忙しいのかなぁと思って優しくお目こぼし頂きたいな~と都合良く考えております。

いきなりですが、ここ2~3年続けているヨーロッパの響き作り。
根本的に空気が違うので、同じ響きを作るのは不可能かもしれませんが・・・
日本のピアノも向こうへ運んでしばらくすると、日本にあった時とは全然違う響きになりますし、逆にsteinwayでも日本に持って来てしばらく経つと変わってしまします。
それでもヨーロッパにあるピアノの響きが出したいと思って、自分なりに試行錯誤して来ました。
そもそも何でそんな事を考えたかと言えば、ツィメルマンなどが連れて来るヨーロッパの一流の調律師の作る響きを聴いて感じたのが始まりです。彼らの作る響きは明らかに違います。聴いてる音が違うようなんですね。それでもヨーロッパのピアノとは違うんですが、イメージ的には向こうの響きがします。
彼らは普段は日本で仕事をしている訳ではないので、恐らくヨーロッパに居る時と同じような感覚で響きを作っていると思うんです。
でしたら日本のピアノを知っていて更に工夫出来れば、よりヨーロッパ的な響きを作る事が出来るかもしれない! 同じは無理としても少しでも近い響きが出せるかもしれない。
それから試行錯誤が始まりました。
技術的な事は書きませんが(個人的にゆっくりと。ただし飲みながら)去年の秋頃から、ようやくちょっとだけ成果が見えて来たような気がします。
今年は更に倍音を増やして完成度を高めたいと思っています。
これで良しが無い世界ですので、この仕事を続けている限り勉強は終わりませんけど・・
引退するまでに一度でも(出来れば何度でも)自分で完璧と思える一台を仕上げてみたいものです!!